【まとめ】国連特別報告者のトランスヘイトに対する世界各地の抗議

国連がトランス差別にお墨付きを与えたとしてヘイターたちが盛り上がっている。

 

 

幸いにもこの声明が広く読まれているようには感じられず、そもそも読む価値もないためかトランスアライで言及している人はほとんどいない。ただ、これまでの動きから明らかなように、差別を扇動する側は組織的に動いている。トランスを排除していい存在として社会的な合意を形成するために今後もいろいろな策を仕掛けてくるはずで、国連報告も効果的に使ってくると思われる。そうなる前に釘を刺しておこうというのが今回の記事の趣旨だ。

 

冒頭で紹介した報告書を書いたのはリーム・アルサレムという人物で、2021年に「女性と少女に対する暴力に関する国連特別報告者」任命された。任期は2021年8月からの3年間である。

https://www.ohchr.org/en/special-procedures/sr-violence-against-women/reem-alsalem

 

この人物はトランスジェンダーに対する差別的な発言を繰り返し度々問題になっている。国連の協力機関の一つであるThe Sexual Rights Initiativeはこの報告者との関与を中止すると発表した。

www.sexualrightsinitiative.org

 

世界的なフェミニスト組織であるAWID(開発における女性の権利協会)もアルサレム氏に対する抗議声明を出している。AWIDは、特別報告者が自身の立場について「フェミニスト団体」によって支持されていると主張しているが、多くのフェミニストや、女性、LGBTIQ+ の権利、人権のために活動する団体や活動家が、彼女が表明している見解に反対の声を上げていると付け加えている。

www.awid.org

 

アルサレム氏は昨年秋、イギリス政府に反トランスの内容をしたためた手紙を送っているが、BBCはそれが国連の「報告書」であると虚偽の報道を行った。

transwrites.world

 

下記の記事では、BBCによる反トランス行動の変遷に対する抗議がBBC内外で起こり、多くのLGBTQ+のスタッフが退職したと書かれている。

www.thepinknews.com

 

一連のことは日本ではまったく報道されていない。筆者も先月の声明以降に調べて初めて知った。国連という権威に惑わされる前に世界の動きを知っておこう。

 

追記:LGBT理解増進法案に対する抗議行動が明日開催されるとのこと。今回の記事内容から離れるが、差別言説の拡大に歯止めをかける行動に敬意を表し紹介する。